2人で守った10のこと

愛も自由も、最後に守れない約束ならくだらない

君がわたしに教えてくれた歌をふと思い出して

すぐにイヤホンをさして聞いた

この歌を好きだった君が好きだった

この歌みたいな君が好きだったの

汚い部分なんてなかった唯一の恋愛を

まだ15歳なのに君が最後なんて思ってたことを

わたしは忘れられないの



唯一純心を捧げた彼に

久々に彼の夢を見た

彼はクラスではみんなから1目置かれてるような存在で、危ないことも平気でするような男の子で、わたしにはすごくキラキラしてみえた

なんて呼ばれてたかな

夢の中では宇佐見…?佑…?みたいな、相変わらず変わった苗字だった気がする

ディスクオーみたいな乗り物にのって

ジャンプしながら

君はわたしの町を探していた

5秒間だけ見えたって言ってたな

わたしを探してくれたことが嬉しかった


遊園地の帰り道、バスの席でだらしなく座る君も愛おしかった

そしたら後部座席にあの、渇きにでてきた名前もない女の子が佑伎のこと見てて

自分は仲いいんですって顔でわたしに声掛けてきたな

誰なの?君も、あの子も、わたしはぜんぜん知らない

最初から、名前から嘘なんて、ひどくない?

スピリチュアルを信じているの?

それとも信じたふりでわたしを騙そうとしてたの?

何も考えてたのか分からないの

生い立ちも、素顔も、どんな景色をみてたのかも

わたしにはぜんぜん分からない

話してくれた事情も、住んでいる場所も

全部全部嘘だった?

それでも、君が好きだと言った曲、よく聞いてるって言った曲だけは本物だよね?

だからそれを聞くの

さようなら、花泥棒さん


いつもこうやって男を連れ込んでんだ

ビッチじゃん(笑)

そう彼は言った

他の男としないで、俺とだけしてなんて

誰に向けて言ってんの

でもそういうあからさまに分かる無責任さが

わたしは気持ちよくて大好きなの

中途半端な独占欲でわたしの心に触れないで

容れ物だけに触れてね

結婚報告

自分の人生の主役はわたしで

でも世界でみたら、世間でみたら

わたしなんてモブにしか過ぎなくて

キラキラした人達に一瞬で話題を奪われる

世間でのヒロインはいつだって彼(女)ら

どうしたらそんなふうになれるの

どうしてそんなことができるの

わたしが一生なれないタイプ

彼の好きだった「あの子」
どんな子なのかぜんぜん知らないけど
一度だけ写真を見せてもらったことがある
いかにも「そういう」女の子が着るような浴衣を着て、不器用にピースしている写真
ああ本当に好きなんだって思った
加工アプリで撮った写真でもなければ、盛れてるプリクラでもない、普通のカメラで撮った一瞬の写真
それなのに彼にとっては可愛いらしい
ぜんぜん可愛くない、普通じゃん?この子よりわたしの方が可愛いもん!わたしのこと好きになってよ、なんてつまんないこと言っちゃったな
彼の人生において彼女には勝てないのに
彼女を撮っているときの彼は、きっとものすごく愛おしそうな顔をしてたんだろうなあなんて考えたら悔しかったし寂しかった
もう誰も彼女以上の存在にはなれないんだもん
でも、不思議とそれと同時に嬉しさも感じたの
だめなら次!可愛ければ誰でも!なんて人ばっかりだったから
その辺の恋愛映画では触れられなかった
はじめて他人の恋愛感情に触れられた気がしたの
「君、可愛い彼女持ってるね、僕の彼女と交換しよう!」
そんな可愛いはいらないわ、
おばさんになっても抱きしめて